もりりた

グランド・ブダペスト・ホテルのもりりたのレビュー・感想・評価

4.0
作家が若い頃訪れた名門ブダペストホテルで、国一番の富豪ゼロから聞いた話。ゼロがベルボーイをしているとホテルの顔グスタヴに気に入られ付き人に。グスタヴがマダムから意図せず莫大な遺産を相続したことをきっかけに彼らの人生は予測不可能に展開する。

歴史的ホテルの造形に圧倒!豪華で贅沢な空間に加え壁面やエレベーターのパステルな色合い、車や小道具の造形に至るまで新鮮!どのシーンも背景だけでも楽しめる!デカデカLOBBY BOYと刺繍されたゼロの帽子もシュールで面白い笑 池井戸ドラマ的アップ多用や人物の動きに合わせ並行移動する独特なカメラワークも印象的。話も音楽も軽快なテンポで遊び心に包まれながら紆余曲折すぎる人生を体感。見所多くてあっという間!

早口に捲し立てる喋り方、老人を安い肉に例えたり時に感情任せでクソ食らえやゲスと口走るグスダヴだけど、ムショでボコボコにされたり自らを身勝手なクソ野郎と謝罪する2面性が面白かった!名舎弟ゼロの素直な発言と真顔、だんだん上達する詩も地味にウケた!雪でもバイクを乗りこなし指をちょん切る神出鬼没なノーマン・オズボーンが緊張感も演出しコメディ一辺倒ではなく!と思いきや雪山チェイスははちゃめちゃ過ぎてやっぱり笑えた!

歴史が語り継がれる様も石像前の読書シーンでさりげなく良い感じ。オープニング見直すと作家の息子のカメラ目線がグスダヴと並ぶゼロの様で和んだ!名コンビの魂が残ってるな!
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