けんし

見世物小屋 旅の芸人・人間ポンプ一座のけんしのレビュー・感想・評価

4.1
チラシには「医者も法律も宗教も救えない人々を、見世物小屋が救っている」と、謳っている。
まさに。

見世物芸人、人間ポンプ、安田里美さんと、その一座を追うドキュメンタリー映画。

一座の日常から、公演風景へ。
食べて、寝て、生々しいレポート。
一座の面々は、虚構をまとい、舞台へ。

何度も鳴る開演ベル、宣伝口上。
客はいつ入っても、いつ出てもよいので、
切れ目がないのである。

しかし、安田さんの人間ポンプ芸は圧巻。
あれ、からくりがわからない。ホンマなんかしら?とにかく、これを観るだけでも、このドキュメンタリー映画の意味がある。

映画が撮られたのは25年前。
高齢化、後継者はいない。

演者も、観客にとっても、見世物小屋は、ひとつのAsylだった。
それは、たぶん、今はもうない。

語りは麿赤児。
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