けんしさんの映画レビュー・感想・評価

けんし

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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.7

30年以上ぶりに拝見しました。
めちゃくちゃ面白かったです。
素晴らしい映画ですね。
内面と外面の揺らぎ、せめぎ合い。
脚本には、人間の息まで、描かれていると思います。名作古典にはずれはありませんね。

砂の惑星(1984年製作の映画)

2.9

ドゥニ版を観る前に、リンチ版を観ました。
観てなかったので。リンチが失敗作と言ってるが、なるほどと思いつつ、意外と飽きずに観てました。しかし、まあ、plotが成立していることはなく、ダイジェストでした
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あちらにいる鬼(2022年製作の映画)

4.8

私にはめちゃくちゃ面白かった。
井上荒野の原作小説がきっと面白いのだろうけど、俳優陣の演技が素晴らしく、寺島しのぶは言わずもがな、妻役の広末涼子が素晴らしく、またトヨエツはあんまり上手いと思ったことが
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.7

主演は役所広司。またか、とはならない。
ものの五分で引き込まれる。
物語も、ありきたりと思いきや、一線を画す。
ひとりの人間がただ生きる、という映画。
普通に、しかし、壮絶に。
真っ当に。
彼に触発さ
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茶飲友達(2022年製作の映画)

3.3

興味深いテーマではありましたが、ラスト15分くらいまで、私はしっくりこなかった。
どうして、その仕事をするのか、そこに集まる経営者側の若者の思想も動機もわかりにくい。
もちろん、風俗嬢の方々も、結局、
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.9

このバットマンも暗くて、敵も暗くて、地味で、まあそれは嫌いではない。
リドラーなんてファンタジーのかけらもなく、現実に潜むリアルみたいな、それは成功している。

カーチェイスとかはいらない。

あと後
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

5.0

とても素晴らしい作品でした。
戦争の映画であり、教育論の映画であり、人間の尊厳の映画であり、何度も涙しました。
こんなに一人一人が大切にされる場所と時間があったのだなあと。それは奇跡的で、その奇跡の積
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.2

なかなか良い映画でしたよ。ささやかでゆっくりで、アジールを描く。
静かながら、死の匂いが漂って。
松山ケンイチが素晴らしい。
人がそこに在る。
パスカルズの劇伴も素晴らしく。
人がいる、在ることを肯定
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.1

「ゲゲゲの鬼太郎」の前日譚、「墓場の鬼太郎」の、あの、土の中から這い出る鬼太郎、幽霊族の父親の目玉がどろりと落ち、動き出すカット、どこかで読んだのだろう。そのタッチとともに強烈に覚えており、
この映画
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.9

ロードムービーは好きですね。
良い時間が描かれていたと思う。

来る(2018年製作の映画)

4.0

この物語の壜の奥底に、何というか、性善説を信じる思想が流れているように感じました。
あくまでも、この子を守る、痛みが、傷みが、生きていく証。
面白かった。
妻夫木聡はあまり好きではないが、これは、裏表
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.8

阿部サダヲが秀逸。狂人は全てにおいて論理的なのですね。チェスタトン曰く。
面会室のアクリルに映った顔が相手に重なったり、演出も面白かったな。使いすぎやけど。
いろいろやりすぎかも。
また、インパクトの
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Aマッソのすべて(2021年製作の映画)

4.0

良かったです。制作過程を見せるドキュメンタリーですが、Aマッソはやはりすごい。
明るさがすごい。コンビの絶妙なバランスがすごい。加納さんの凄みは当然であるが、村上さんが凄い。だから、凄い。
グッとくる
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JACO(2015年製作の映画)

3.5

天才ベーシストのドキュメンタリー。
やはり素晴らしいプレイ。唯一無二の音。
もっと演奏シーンを観たかった。
大胆にして繊細な。
後半の破滅に向かう様は痛々しい。
切ない。
しかし、だからこその音に納得
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.2

「僕を人扱いしてくれたのは、あなただけだった」、この言葉がのちの二人の人生に大きく関わる。
とても重要な作品でした。クリントイーストウッドの映画はいつもそうですが。
今回も、人間の尊厳を描く。

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01 恐怖降臨!コックリさん(2015年製作の映画)

3.6

前回で、一応のケリはついたので、仕切り直しの新シリーズ。
あれから、世界はどうなったのか?
田代の指は?なんて、さておき。
何ごともなかったように、始まる。
原点回帰。
ま、パラレルワールドならば、前
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章(2015年製作の映画)

3.8

そして、一応のシリーズ完結でありながら、工藤D、市川ADがいなくて(異世界に入り行方不明だから)、カメラマンの田代が主役になるというスピンオフ的な、
しかし、それでいて、男女入れ替わりや、腕のパズーカ
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版(2014年製作の映画)

3.9

愛すべき荒唐無稽!
良かった!面白かった!
急転直下!悲しき工藤D!
まさか!そうだったのか!
市川さんの行方は?
空に浮かぶ巨人!あんな発想は初めて!
そもそも、なんだ?旧日本軍の霊体兵器!
鬼神兵
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章 真説・四谷怪談 お岩の呪い(2013年製作の映画)

3.9

フェイクドキュメンタリーの手法も、とても興味深いのだが、その内容、解釈も、独自のものであると思う。
今回は「四谷怪談」。「お岩さん」は、幽霊ではなく、人が作り出したモノであるとし、鶴屋南北は呪術師とす
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん(2013年製作の映画)

3.7

第4弾は「トイレの花子さん」。
私は「花子さん」が、いちキャラクターではなく、異界の出入り口の仕組みとして描かれたことが残念だった。
きっとあの妖怪はいろんな業や悲しみを背負っていると思うからだ。
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03 人喰い河童伝説(2013年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

今回は「人喰い河童の捕獲」です。今回も楽しめました。今回もストーリーは、ギリギリの飛び方をする中、キュウリで罠をしかけたり、相撲をしたり、「河童」のアイデンティティは押さえつつ、え?陰陽道の式神?とな>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02 震える幽霊(2012年製作の映画)

3.7

「口裂け女捕獲」の回がうまくいったからといって(確かに面白かった)、今回は前回をなぞるのではなく、さらなる飛翔を遂げる。
なんだ?この展開は?
想像の上をいく。チープはチープなまま。
いくつかそのまま
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦(2012年製作の映画)

3.7

最後まで飽きずに視聴。面白かったのか。面白かった。「水曜スペシャル」ってこんな感じやったんかな。その現代版。いや、しかし、10年前の作品ですが。
「口裂け女」の怪異を追う。
ときどき、映る口裂け女は普
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.8

わかりやすく、また納得できるサスペンス映画でした。ホラー映画でもありました。
ミスリードや、最後のひっくり返し方も、悪くはないが、小品。

花芯(2016年製作の映画)

4.0

原作の瀬戸内寂聴のコトバを身体で支える村川絵梨が素晴らしかった。
シンプルなplotだが、コトバが、業と修羅を連れているので、見入ってしまう。
良い映画。

バービー(2023年製作の映画)

4.2

西加奈子「くもをさがす」を丁度読んでいて、「私は、私だ。私は女性で、そして最高だ。」という文章に、今日出会っていて、その後、これを観て、とてもリンクしていました。
そんな映画です。
なかなかの映画でし
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

映画が終わり、エンドロールが流れて、私は涙がとまりませんでした。しかし、なんの涙か、しばらくわかりませんでした。

「現世で生きていく覚悟」だったのかもしれません。
「喪失のなかで、希望を掴んだ物語」
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屋敷女 ノーカット 完全版(2007年製作の映画)

3.0

内容は特に、ナイ。いや、あの女は誰か?どうしてそんなことをするのか?全くわからない状況で、かなり時間は進む。
何者か?と、動機がわかってから、私は説得力がなくなった、と言いますか、怖くなくなった。
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ハロウィン(1978年製作の映画)

3.5

いちばん怖いのはオープニングの殺人なんですが。ホラー映画の古典を鑑賞。
ストーリーは、特に、ナイ。
ブギーマンが殺しにくるだけ。
この作品からシリーズ化をするわけだが、キャラクターもまとめきれていない
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

とてもいい映画でした。
派手なお話ではないし、シンプルなプロットなんですが、良かったです。
自然の描写と、主演の女の子の素朴さと理知さと。法廷劇のパートも、真摯な人物がいて、無罪になって欲しいって祈っ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.9

面白くないわけでは、いや面白いところもあったかな。いや、面白くないとは言いたくないのかな、そんなに面白いわけではないのに。

これ、本編より、メイキングのドキュメンタリーの方が面白かったしな。

最近
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楢山節考(1983年製作の映画)

4.5

若いときに観ましたが、最近、深沢七郎が気になって、再視聴。
後半の一連の映像、白骨の山、雪、思い出した。
生きていくための「業」が描かれているのだと思う。生きていくことは、殺すこと。
過酷である。
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.0

「さかなくん」なるものは、普通、この映画に描かれているように、異端視され、排除される。
そうはなるまいと、この映画は格闘する。
だから、素敵だし、少し物悲しく感じた。
主演ののんさんの明るさも物悲しく
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教育と愛国(2022年製作の映画)

4.7

教育への政治の介入。
とても恐ろしい映画で、しかも現実なのだ。
あるテーマで、大阪がクローズアップされる。
大阪が、きびしい。
ズブズブである。

これは観て良かった。
観とくべき映画でした。

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