SEULLECINEMA

ウィ・キャント・ゴー・ホーム・アゲインのSEULLECINEMAのレビュー・感想・評価

5.0
2回目

この映画を観ていたら、無性に駄文を連ねたくなった。

https://note.com/yathcabforcutie/n/neceddd80e13d


1回目
フレームという概念や映画の直線性という概念を悉く突き破ってくる実験的な作品。晩年のニコラス・レイが被写体としてあまりにも映画的すぎる。
ニコラス・レイは、タイトルを含めて三言しか重要なことを言わない。

"Don’t expect too much”
"I have been interrupted“
そして、"We can’t go home again“

ニコラス・レイが自殺するときに発する"I have been interrupted” という言葉は、このフィルム、ひいてはニコラス・レイのキャリアそのもの、そしてそれのみならず世界映画史全体を見ても物凄く重要なセリフなのに、翻訳が決定的に間違っている。
「私は自殺を邪魔された」ではなく、加藤幹郎が翻訳本のタイトルにも引用した「私はずっと邪魔されてきた」が正しいだろう。
なぜなら、"We can’t go home again“ とは、彼が二度とハリウッドという故郷へ帰ることが叶わないことを表した、ハリウッドへの郷愁と憎しみと敵意と親しみがこもった、複雑な言葉なのだから。
ハリウッドに対してそういった複雑な感情を抱いて決別するに至った経緯を考えれば、"I have been interrupted” は「私は邪魔されてきた」と訳せるはずなのに、なんだかなぁ。
SEULLECINEMA

SEULLECINEMA