マッドサイエンティストがつくりだした恐るべきソルジャーたちの恐怖を描いたファウンド・フッテージ。
監督:リチャード・ラーフォースト
第二次世界大戦末期。
ソ連軍の偵察部隊が目撃した悪夢とは?
まず注意点を。
グロ耐性がない人はマジで観ないほうがいい。
特に終盤は最悪だから。
もうちょい馬鹿な感じを想像してたんだけどなぁ。
というわけで所感を述べる。
まず、本作はファウンド・フッテージという設定になっているが、リアル・ドキュメントを志向しているものではない。
普通に編集が入ってるし、そもそも第二次大戦下という設定なのにカメラの性能がよすぎる。
恐らく最初からPOVでやることは決まっていて、結果としてファウンド・フッテージというかたちに収まっただけだろう。
というのも、この監督がやりたいのは、映画というよりホラーゲームだから。
怪物たちの徘徊する施設をカメラひとつで散策する感じは、ほぼ「OUTLAST」のそれ。
というか、たぶんこの監督は「OUTLAST」をやりたくてこの映画を撮ってんじゃないかと本気で思う。
※追記
調べてみたら本作は「OUTLAST」の同年公開。
いずれも2013年の作品。
似たような感性が同時に現れることってあるんだなー。
※以上
丹念に構築された圧倒的な世界観から生み出される異形たち。
そこから生まれる"グロテスク"で真正面から殴られる感覚。
途中に出てくる"人形に接続された女性の頭部"がかなりやばい。
(ビジュアル的にはこれが一番強烈だったかも)
中盤の「武器人間」たちとの戦闘も迫力があってよい。
その「武器人間」たちも、最初は奇妙なデザインに笑ってしまうんだけど、映画はどんどん笑えない感じになってきて、最初は微笑ましかった「武器人間」の存在感が次第に恐怖の対象へと変わっていく。
そして、極めつけが「武器人間」の"製造過程"。
これを映画の終盤で嫌というほど見せつけられる。
そこに至るまでの人間模様も「グロテスク」の一部。
あー、この世の嫌なものだけが濃縮されてる感覚。
90分ない映画なのにエンドロール流れるころには頭痛がする。
そういう映画。
スリラーとしても普通におもしろいですよ。
2024ー旧029