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舞妓はレディのRyuのレビュー・感想・評価

舞妓はレディ(2014年製作の映画)
3.6
歴史ある京都の花街 下八軒は舞妓不足に悩まされており、老舗のお茶屋“万寿楽”では女将の娘 百春が襟替えできずに、ずっと舞妓をしていた。そんな時、百春のブログを見ていた西郷春子という少女が「舞妓になりたい」と、突然やって来る。きつい訛りの鹿児島弁と津軽弁を話す春子に興味を持った言語学者の 京野法嗣は春子の後見人となり、京言葉を教えることに。万寿楽でも女将の千春、芸妓の里春、先輩舞妓の百春など、たくさんの人々に支えられながら、春子は舞妓を目指す。

タイトルがオードリー・ヘプバーンの「マイ・フェア・レディ」を文字ったものであり、今作もミュージカル仕立ての作品となっております。
作風もかなりポップなものになってはいるんですが、所々挟まれるミュージカルがポップさ増し増しにしてくれています。花街にミュージカルが合うか否かは置いといて、ここまでポップにされると、めちゃくちゃハッピーな雰囲気になります。ちょっとやり過ぎかっていうくらいかもしれませんが、ここまで振り切られると、考える余地のないくらいに幸福感が溢れてきます。
主人公 上白石萌音がめちゃくちゃハマっていて、いいキャラクターでしたね。まだまだあどけなくて、ちょっと芋っぽい感じがまた可愛らしい。津軽弁と鹿児島弁のバイリンガル というなんとも難しい役柄も頑張って演じられていたし、歌もめちゃくちゃ上手。富司純子は、20年前に監督が今作のアイデアが浮かんだ時からイメージキャストだったらしく、それも納得です。時には厳しく、時には優しく、春子を支えてくれるという役柄がピッタシでした。声優をした、「サマーウォーズ」の栄おばあちゃんを思い出しました。監督の奥さん 草刈民代は相変わらずお美しい。踊りがが舞になっても、さすがのパフォーマンスです。脇役もめちゃくちゃ豪華で、周防組の面々はもちろん、初周防作品の方々もたくさんいました。ラスト、竹中直人と渡辺えりが「Shall we ダンス?」の衣装で登場したのは笑っちゃました。
周防監督だったら、無理やりミュージカルねじ込まなくても、おもしろい作品にできたのでは という思いもちょっとはありますが、観てて、無条件で楽しい・幸せな気持ちにさせてくれるので、安心して観ることができます。
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