Omizu

ホーリー・スモークのOmizuのレビュー・感想・評価

ホーリー・スモーク(1999年製作の映画)
3.3
【第56回ヴェネツィア映画祭 コンペティション部門出品】
『ピアノ・レッスン』ジェーン・カンピオン監督作品。ヴェネツィア映画祭コンペに出品された。出演はケイト・ウィンスレット、ハーヴェイ・カイテルなど。

カンピオンが好き勝手やった作品だなこれは。遅まきながら『パワー・オブ・ザ・ドッグ』で彼女の存在を知った自分としては、彼女の本領発揮という訳ではなかった。

インドで洗脳状態にあるルースを洗脳解除請負人のようなPJが解こうとするが…という物語。性欲、肉欲、そして宗教というものを並列的に描いていくのは流石カンピオンという感じ。

洗脳を解こうとするが逆に性欲に溺れていってしまうという倒錯的な描写が面白い。終盤のカイテルの格好ときたら。ていうかよくカイテルがあんな演技してくれたな。役者さんってすごい。

描写は面白く、カンピオンの作家性が溢れ出る作品であるが、やや突飛な演出はいかがなものかと思ってしまった。早回しやスローモーションなどの映像はやや雑に見えてしまった。

カンピオンの作家性全開、というか変態性が全開になっている作品で嫌いではないが彼女のベストではない。
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