ホドロフスキー監督の自伝的物語かと思いきや、後半は父親の放浪を描くロードムーヴィー的なストーリー。
全編に渡りノスタルジーを感じさせる燻んだ色彩感覚が幻想的で、海や教会などの美しい風景描写もあり。
一方、海辺での少年たちの擬似手コキ行為や常時オペラ調の母が素っ裸で歩き回る酒場のシーン、手足のない障害者の描写など、ストーリーに何の関係があるのか意味不明なホドロフスキー監督ならではの「えぐい」ギミックもふんだんにあり。
場面がコロコロ変わるテンポの良さもあってか、実時間ほどには長尺に感じず、終始エキセントリックな両親の振る舞いを中心に楽しめました。