記録
正直、自分がどういう感情を抱いているのかよく分からない。好きなところもあるし、嫌いなところもある。それと同じように、良いところも悪いところもあると思う。それを全部含めて、この作品自体が人間みたいだと思った。でも、多分自分にとって大切な作品だ、少なくともこの作品には素直でいたい。良くも悪くも、どうしてここまで人の感情を揺さぶるものが撮れるのだろうか。
やっぱりヒトは自分を理解できないし、他人を理解できないんだろう、その断絶は取り払えない。でも、あの美しいラスト・シークェンスを観てしまうと、分かり合えてしまうんじゃないかと希望を抱いてしまう。4時間ほどの時間をかけて熟成された、自分や他人への不信感をこうも簡単に払拭してしまうのか、ズルいよ。
「言葉には限界がある」と言う、本当にそうだと思う。もう何を書けばいいのか分からない。ただ分かるのは、俺は『親密さ』を何回も見返すし、その度にきっとまた分からなくなるということだけだ。
電車に揺られる度、『親密さ』を思い出してしまう。
2024,131本目(劇場46本目)5/17 シネ・ヌーヴォ