もりりた

ウォールフラワーのもりりたのレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
3.5
地味な高校生チャーリーは上級生のパトリックとその義理の妹サムとの出会いで自分の居場所を見つける。順調に見える毎日だが彼は密かに過去のトラウマに苦しんでいた。展開多くて焦点が定まりにくいが主演ローガン・ラーマンの表情や仕草が感情の機微を伝え学生生活の不安や戸惑い、親友との幸せな時間が伝わってくるのが良かった❗️

神経過敏な時期に酷なマウンティング。服や音楽、個人の好みすら無下にされる容赦ない感じは学生生活を思い出させて痛々しかった。明るいパトリックの葛藤やダメ男に引っかかるサムの様に個々のキャパを超えるシリアスな変化が起きるのもこの時期ならでは。青春時代特有の繊細さやトゲトゲしさがしっかり表れていた。チャーリーはパトリック達と出会えて本当に良かったね…

チャーリーの気持ちの変化は丁寧にドラマが描かれていて、清々しい気分に溢れたトンネルのシーンは印象的だった。デヴィッド・ボウイのヒーローズ、良い曲だよね!終盤、サムに思いの丈を打ち明けるシーンも成長が見えてすごく良かった。一方でメアリー・エリザベスとの曖昧な関係やパトリックの突然のアプローチシーンは気休め的で話を発散させていた感じがしました💦

チャーリーのトラウマに関してもラストまで核心が語られず伏線としては平坦で勿体無い印象。とはいえ真相に迫る場面はスムーズかつスピーディーで惹きつけられる演出でした。時折染み込み難いシーンがあるけど、要所の見せ方の上手さでしっかり楽しめる作品です。
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