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クロワッサンで朝食をのturkeyのレビュー・感想・評価

クロワッサンで朝食を(2012年製作の映画)
4.0
このフリーダという老女、財産の有無を別にすれば亡くなった伯母にそっくり、自分の小さな世界でのみ生きていて、他人の介在を頑なに拒否する、親兄弟の縁もいっさい切る。亡くなる3日前に病院へ行った時も「何で来たの!」(笑)
こういう人は、当人はいいでしょうが、周りが、その尻拭いを全部やるんですから気楽な「生き方」なのかもしれません。

猫も歳を取り過ぎると化け猫になると言いますが、パリジェンヌの老婆(妖怪)J・モロー。
この人、パリを離れたら3日で「あの世」へ行っちゃうんじゃないかと思えるくらい、幾つになってもパリジェンヌ、何処を切ってもパリジェンヌ。
これは凄い事だと思います。(真面目に褒めてます)
そしてフランスを代表するパリジェンヌの化け物と堂々とタメ張って一歩も引かない、アンヌ役のライネ・マギ も素晴らしい。
日本では無名ですが、J・モローという「化け猫」と対峙する役もあって、歳の割にチャーミングに見えるし、演技も上手い。
二人の間で中和剤の役目を負ったパトリック・ピノーも、最初、調子いいだけの男に見えたけど、段々、大人の「男」に見えてきて良かったです。

 「貴女が孤独なのは、貴方自身に問題があるからよ!」
老後を考えれば、この言葉は正論。けれど70越えたら性格変えるのは殆ど無理。 気をつけましょう。(勿論、僕の事です、70はまだだけどね(笑))
原題「パリのエストニア人」
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