Omizu

コン・ティキのOmizuのレビュー・感想・評価

コン・ティキ(2012年製作の映画)
3.3
【第85回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート】
『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』の監督に抜擢されたヨアヒム・ローニング&エスペン・サンドベリ監督作品。ノルウェー映画として当時最高の制作費がかけられ、2012年最大のヒット作となった。

1950年にはドキュメンタリー映画がつくられ、アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞している実話の映画化作品。

ポリネシア人のルーツをそれまでの通説であったアジアではなく南米に求めた学者トールが漂流実験を実行する様を描いている。南米からポリネシアに渡るというのは無理があるという通説を覆すことになった。

確かに潤沢な予算をかけたであろう海の撮影には目を見張るものがある。しかし物語としてはスローペースで映画として面白いかと言われると微妙。

海の上での乗組員たちの人間関係が後半描かれるが、大して深刻でもない上に「なんとなく上手くいく」という展開が続く。そして何より実話の映画化でドキュメンタリーにもなっている、ということから乗組員たちは無事であることは分かりきっているので…サスペンスがない。

キャストが全員金髪の美男たちで、見分けがつかないというのも感じた。キャスティングという意味では先住民ポリネシア人が当事者キャスティングされていないというのも当時問題になったらしい。

海上、海中からの撮影など技術的にはレベルが高い一作であるものの、映画としての面白さはあまり見出すことが出来なかった。
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