ヒデ

海がきこえるのヒデのネタバレレビュー・内容・結末

海がきこえる(1993年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

「僕と松野が初めて里伽子と会ったのは、おととし、高校2年の時の、やはりこんな真夏の日だった」

東京の大学に進学した杜崎拓が、同窓会をきっかけに、東京から来た転校生・武藤里伽子とのことを思い出す話。

激エモ映画。カメラワークが終始おしゃれで、高知弁全開の会話も良い。杜崎と松野が仲直りするシーンの海のキラキラとか超綺麗だった。

"友達が好きになった人と、なぜか親密になってしまった"という高校生ならではの気まずさがあり、高校生ってこういうのあるよな〜と思わされる。里伽子にハワイでお金貸したのを親友の松野に見られてしまった気まずさ。

急に東京旅行に二人で行くことになったくだりはドキドキしたけど、里伽子が暴れん坊将軍すぎて笑った。父親に会うのもそうだし、元カレのいるラウンジに呼びつけるのは猛者。とはいえ振り回されたい男からすると、なんかミステリアスな里伽子には惹かれるだろうなと。ホテルで飲むのがコークハイなのもなんか良い。

里伽子が奔放&ワガママすぎて、最後杜崎が好きだったことが明かされた時は「え、好きだったの!?」ってなったけど、ラストは爽やかな終わり方で良かった。高知と吉祥寺に行きたくなる映画。


以下、セリフメモ。


(修学旅行中止の抗議をするための美術室で)
「凄いなぁ、松野は10年後、20年後のことを考えちょるがか」

「松野が里伽子に惹かれているのを知って、僕は理不尽に腹立たしかった。女なんかにお前の良さ、わかりゃせんと」

「ごめんなさい、土佐弁のイントネーションって、ちょっと時代劇みたいね」

「円で6万、ドルで400ドルなら貸せる」
「ホント!?じゃ、6万円の方貸してくれない?」

「高3のクラス替えで、僕と里伽子は同じクラスになってしまった」

「GWになっても里伽子はあのお金を返さなかった。まるで忘れてしまったみたいに」

「お前…一人で行くの不安じゃったら、僕も一緒に行っちゃろうか?」
「ホント!?ホントにそうしてくれるの!?」

「ここに泊まるわ…!請求書はパパに来るんだから、あたしにも権利あるでしょ!」

「これはドラマよりまだ酷い…と僕は思った」

「私…パパの味方のつもりだった。でも…パパは私の味方じゃなかった。私…かわいそう?」

「僕だって…ごっつう可哀想やんか…」

「岡田くんとは1年も付き合ったのに、2ヶ月後にもう他の子と付き合ってたのよ?しかも共通の友達!」

「…酷い東京旅行になっちゃったわね」

「里伽子は、まるで30分で一気に大人になったみたいだった」

「俺…武藤のこと…好きやき…」
「あたし…高知も嫌いだし、高知弁喋る男も大っ嫌い!そんなこと言われるとゾッとするわ!」

「迷惑したんはこっちじゃ!おまえのせいぞ!最低じゃ!」

「お前…(武藤へのイジメを)止めんかったがか?お前、バカや!」

「松野と僕は、それ以来一度も口を利かないまま卒業した。そして武藤は高知大学、松野は京都、僕は東京へとそれぞれ別れていった」

「ずっと謝ろうと思っとった。殴って…悪かったな」
「なんじゃ、無料迎車はそのためか、ハハハ」

「あの時殴ったんは、お前が俺に遠慮してしとるのがわかったからじゃ。あの時まで気が付かんかった。お前が武藤を好きだってこと」

「誰に会いたいがって聞くと、"お風呂で寝る人"じゃて」

「僕は高校の頃に里伽子といろんなムダ話をしたかったんだ。里伽子とこんな風にして、城を見上げたかったんだ」

(吉祥寺のホームで再会して)
「あぁ、やっぱり僕は好きなんや。そう感じていた」
ヒデ

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