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サラゴサの写本のbennoのレビュー・感想・評価

サラゴサの写本(1965年製作の映画)
4.8
700レビュー✎︎の鑑賞作品…ෆ*

ヴォイチェフ・イエジー・ハス監督作品…3作品目…と〰︎っても観たかった作品…!! そしてやっぱりハス監督の世界観はちょっぴり摩訶不思議で好き…ෆ*

同監督の『砂時計』が大好きで、今作は3時間の長尺ですがとても貴重な作品…原作はヤン・ポトツキの《サラゴサ手稿》…2022年に漸く完訳が刊行されたそうで、即ポチりました…。

そしてハス監督と言えば…入れ子構造の幻想世界が素晴らしいのですが…なんと今作は多重入れ子構造…!!

とてもレビュー泣かせの作品ですが…多重入れ子構造とは簡単に…

AとBの会話でBが回想話をします…
その中でCという人物が登場…Cが回想話をします…
その中でDという人物が登場…Dが回想話をします…
その中でEという人物が登場…
どんどんと語り手が変わっていく形式です…。

何のことやらぁ〰︎ですが…映像で観た方が文字に起こすよりはわかりやすいと思います…最初は人物と名前が一致しなくて戸惑いましたが…次第に没入…次に起こる出来事に予想がつかず、ワクワクが止まりません…。

そして、冒頭からダリ風のタイトルバック…シュルレアリスム作家ハス独特の奇妙な世界…ちょっと訳のわからないところもクスッと可笑しい魅力満載です…。


舞台はナポレオン戦争時代のスペイン、アラゴン地方サラゴサ…。

敵対しているフランス人将校とスペイン将校のふたりの男が宿屋で『サラゴサの写本』に魅了されます…。

その本は見るものを虜にする怪奇小説…そしてなんとスペイン将校はこの本を書いたアルフォンスという人物の孫だったのです…。

そこからアルフォンスが主人公の話になります…。

アルフォンスはシェラモレナ山脈を旅して様々の人物と出逢います…

怪しい魅力を放つ姉妹エミナとジベデ…
義賊の一面もある盗賊ゾド…
悪魔憑きの男パチェコ…
謎の学者ウセダとその妹の美女レベッカ…
人の秘密を詮索する図々しい男ブスケロス…
ジプシーの族長アバドロ…

などなど…登場人物も多彩でひとりひとりの個性がとても魅力的…語り手となる彼らが目まぐるしく転調…まさに夢を視覚化したような先の読めないストーリー…。

カメラアングルも被写体の前に障害物を置くハス拘りの構図が多用され摩訶不思議で幻想的な世界観…美術の配置や衣装も凝っています…。

物語は2部構成で怪奇&冒険&残酷&恋愛&エロと様々なエピソードが入れ子になって絡み合い…やがてそれぞれが見事に収斂…とにかく脚本に天晴れ…これを観たら必ず原作が読みたくなるはずです…。

長尺ですが《ポーランドの千夜一夜物語》と言われるほど、全く話に飽きることはありません…そして何度も繰り返して観たい作品、観る度に発見がありそう…ハス監督の作品はぜ〰︎んぶ観たいですし、是非手元に置きたいです…欲しい〰︎ს


thanks to ; ゴリアテさ〰︎ん ✮꙳ 𓂃 𓂂𓏸



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最近、特にTLも追えず、コメントの返信も遅れがちで皆様にはご迷惑をお掛けしていますっს ゆっくりですがしっかりお返事していきますので、待っていて下さいねっෆ*

また、今年は皆様のおかげで色んなジャンルの作品に触れることが出来ました…ありがとうございましたෆ*

今年も残りわずかですが引き続きどうぞ宜しくお願いします⸝⸝⸝♡︎

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