針

氷の微笑の針のレビュー・感想・評価

氷の微笑(1992年製作の映画)
3.8
ポール・ヴァーホーヴェン監督による官能サスペンス映画、かな。現代版フィルム・ノワールみたいなお話(つってももう30年前だけど)。自分的には、同監督の映画のなかではわりと普通かなーと思いつつ、サスペンスとしてはけっこう楽しめました。

冒頭からして超煽情的。性交中の男性が相手の女性にアイスピックでめった刺しにされるシーンをもろに映すところから幕を開けます。刑事のニッキー(マイケル・ダグラス)は調査のために容疑者であるキャサリン(シャロン・ストーン)の元を訪れるが、次第にその魅力のとりことなっていき……。(書いてて思ったけど冷静に考えるとちょっとアホみたいなストーリーですね。でも本当だからしょうがない😆)

基本的にはシャロン・ストーン様の映画だと思います。それぐらい彼女が「女」としてもの凄く魅力的に撮られていて、それに加えてくだんの下品なくらい劣情を煽り立ててくる名シーン(迷シーン?)もあるのでもろもろすごい。
物語は彼女が犯人なのか? それとも違うのか? っつうサスペンスとして進んでくんだけど、表面上は微笑んでても内心が見えない彼女の表情の演技もけっこうよかったなーと。
ただしキャサリンは小説家かつ、大学では心理学を専攻した人物という設定で、もしかすると彼女がまわりの人を操ってるのかも? みたいな疑念も作中で出てくるんだけど、それは現実にはたぶん無理……。なのでそこはちょっと俗流心理学のイメージなんじゃないかとは思いました。

でも、シャロン・ストーンに対抗する主人公役のマイケル・ダグラスもよかったです。彼も彼でなんというか非常にパワフルな人間で、キャサリンを疑って食い付いてるうちにだんだん深みにはまってくんだけど、中盤までいくと両者のやり取りがけっこう拮抗してる瞬間があって、その会話の雰囲気がわりと楽しいのが個人的に好きなとこ。

あとは展開にツイストが効きまくってて、これは結局どうなるの?! というサスペンスで最後まで引っ張られた感じ。けっこう楽しかったです。

これ以上書けることがないので残りはネタバレコメントで。
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