経年変化

鉄路の男の経年変化のレビュー・感想・評価

鉄路の男(1957年製作の映画)
4.6
所有BD再鑑賞。
謎解き譚に仮託して組織と個の対比をまぶしながら前者の視野狭窄を告発。特定の人物像をエピソード毎に多面的な角度からつまびらかにするアプローチ。これが本格的な長編デビュー作にあたるというんだから驚く。また、この老齢の鉄道員が前時代の象徴的人物である事は想像に難くない。不都合な過去はこうやって上書きされていくわけですね…。
導入部の列車を真下から撮るショット、ここから約10年後にセルジオ・レオーネが似た様な事やってんの思い出す。毛色こそ違えど張り詰めた緊迫感で観ているこちらがソワソワしてしまう点は共通