塔の上のカバンツェル

まぼろしの市街戦の塔の上のカバンツェルのレビュー・感想・評価

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
3.6
第一次大戦の終戦末期の仏の街に潜入する英国兵と残された精神病院の人々が織りなすドタバタコメディ(?)。

英軍のスコティッシュグレナディアーズが画面一杯に映るので、キルトと高地連隊が準主役の映画でもある。

"狂った"、精神科の人々が純粋無垢な人々として描かれ孤立した街が平和の楽園であり、死体を積み上げる塹壕戦が繰り広げれる残酷な外界こそ狂っているという皮肉が作品のテーマの根幹ではあると思う。

フランス人のコメディセンスとメロドラマへの飽くなき情熱はやっぱわからないけど、現実の方が滑稽で狂ってんじゃねえか、という反戦映画なのはわかる。

第一次大戦面として、謎のドイツ軍装甲車両(EV4装甲車的な?)や颯爽と最後に入場してくる"まとも"なフランス軍なのは、仏映画だからという感じ。

伝書鳩に勲章が与えられるのもギャグな一つなんだろうけど、史実に軍務に服した動物にも勲章が栄誉されるのがww1だしなぁ。

最後は永遠に戦い続ける方が馬鹿みたいだ、っていうのは第一次世界大戦を扱った映画的でもある。
その辺にWW2を題材に選ばなかった理由もあるだろうし。