メモ魔

ワールド・ウォーZのメモ魔のレビュー・感想・評価

ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)
3.6
テンポは良かった。
日常の中に漂う不可解なニュース。
その臭いからグッと非日常にシフトするシーンで一気に映画の世界に引き込まれた。

自分が今までに見たゾンビ映画といえば[バイオハザード]くらいだし、それがゾンビ映画の天井だと思ってたんだけど。。
バイオハザードとはまた違った切迫感と恐怖感があった。
とにかくこの作品のゾンビは走る走る。
じわじわと迫り来る恐怖を演出するプロがバイオだとしたら
この作品は差し詰め[一瞬で青信号が赤に染まるギャップ]を演出するプロだと思った。
黄色信号すっ飛ばしよもう。

それでいて面白くないゾンビ映画にあるような[びっくり]させて恐怖を煽る様な安っぽい演出は少なかった。

ただどうにも没入感から弾き出されてしまったシーンがいくつか見られた

・ウイルス学者がこけて死ぬシーン
これもっと演出の仕方というかストーリーの持っていき方というか、、なんかあったくない?笑
足滑らせて暴発した銃弾の跳弾で死ぬってどこのコントやねんっ
ってツッコミしたくなる展開。まあリアルを求めていけばこういう展開もありなのかもしれないけど。さすがに世界観と合わないというか。
映画は監督がこの映画を通して何を視聴者に伝えたいかって部分が明確に表れている作品ほどいい作品だと俺は思うわけなんだけど。
このシーンみたいに一気に映画の世界観を崩されると、[結局監督はこの映画で何を視聴者に感じて欲しかったの?]ってのが曖昧になる。
コメディ8点
恐怖感8点
没入感8点
の作品なんていらなくて、ゾンビ映画に求められるのは
コメディ0点
恐怖感10点
没入感10点
の尖った作品なわけでしょ?
まじでウイルス学者のくだりはいらなかったと思う。

・ワクチン(になるかもしれない薬)が都合よく隣の棟にあるシーン
ここちょっと冷めた。都合良すぎん?
ワクチンになりうる薬があるかもしれない!
でもそのワクチンは危険な場所にある!
じゃあ頑張って取りに行こう!

ドラマでやってください。映画にそんな助長を許す時間はないです。
って思っちゃった。ドラマにありがちの[ストーリー構成する上でこのシーン必要だった?]って感覚をこの映画にも覚えてしまった。
せっかくここまでストーリーテンポ良くて好きだったのに一気に評価ダウン。
こういう助長なシーンが多くなると[監督が伝えたい部分が少ないスカスカの作品なのかな〜]とか勘繰ってスッと没入感が消えていく。
ここに20分も使うんだったらワクチンはすぐに打ってもらってその後の展開を描いた方がぎゅうぎゅうに詰まった作品になって良かったと思うけどな〜。

考察するにはいい作品だと感じた。

・犬がZに向かって吠えるシーンや、危機察知能力が高いシーンがあったが。腕を切断された女性が傷口を消毒される前は犬が女性に向かって吠えてたんだよな。つまりこうだ
Zは傷口を切断するだけでは感染からは逃れられない。ただし傷口に対して適切な処理を行えば別。
この凶悪なZウイルスもアルコールには勝てないと言うことだな笑

・スペインの壁が完成したのが、ウイルスが蔓延する1週間前
これは気になるところ。結局この話でウイルスの感染源は特定されなかった。また別種のZウイルスが蔓延するような話の展開があるとすれば舞台はスペインか。

総評
テンポは良かったので序盤はかなり引き込まれた。がしかしそのテンポの良さを帳消しにする冷めるシーンが数点見られた。
ゾンビと対峙するシーンは圧巻のものがあったし新規性もあったので見応え十分なので、冷めシーンをストーリーの時間に割けばもっと没入感に浸れるような作品に仕上がったんじゃないか

とかお前何様だよみたいなこと思った次第。
3.7点

やっぱ怖い映画より考えさせられる様な泣ける映画が良いな!
メモ魔

メモ魔