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嘆きのピエタのkazu1961のレビュー・感想・評価

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)
3.6
▪️Title : 「嘆きのピエタ」
Original Title :「Pieta」
▪️Release Date:2013/06/15
▪️Production Country:韓国
🏆Main Awards :第69回ベネチア国際映画祭
金獅子賞
🕰Running Time:104分
▪️Appreciation Record :2020-274 再鑑賞
▪️My Review
とにかく痛い、前半は肉体の痛み、後半は心の痛み。。。痛みを感じる作品です。
人間の醜さと美しさに介在するギドク監督の真骨頂の代表作ではないでしょうか。
どんでん返しという趣向ではないからか、途中から展開が見えてしまったのは少し残念な所ですが、ラストシーンは素晴らしいです。残酷かつ静謐で、物語の最後に見えるあの微かな光だけが唯一の救いとなる、そんな作品でした。頭の中に「ピエタ」というタイトルが浮かびました。この映画は紛れもなく、痛みによる贖罪と救済の物語ですね。
ギドク監督が描く人々が命を賭して生きる人たちの映像が独特のコントラストで描かれています。金属と肉体、油と血液、建築物と山河のコントラストなど。。。
本作は、独創的な作風で世界中から注目を浴びる韓国の鬼才キム・ギドク監督による、第69回ベネチア国際映画祭金獅子賞に輝いた問題作です。昔ながらの町工場が並ぶソウルの清渓川周辺を舞台に、天涯孤独に生きてきた借金取りの男の前に突如母親と名乗る女性が現われ、生まれて初めて母の愛を知った男の運命を描き出すしています。主演はテレビドラマ「愛してる、泣かないで」のイ・ジョンジンと、ベテラン女優チョ・ミンス。二人の気迫に満ちた演技に圧倒されますね。
物語は。。。
身寄りもなく、ずっと一人で生きてきたイ・ガンド(イ・ジョンジン)は、極悪非道な借金取り立て屋として債務者たちから恐れられていました。そんな彼の前に母親だと名乗る女性(チョ・ミンス)が突如現われ、当初は疑念を抱くガンドでしたが、女性から注がれる愛情に次第に心を開いていきます。生まれて初めて母の愛を知った彼が取り立て屋から足を洗おうとした矢先、女性の行方がわからなくなってしまい。。。
<ピエタ>とは、十字架から降ろされたイエス・キリストを胸に抱く、聖母マリア像のこと。慈悲深き母の愛の象徴です。
制作する上で興味深いのは、出資スポンサーが無い、監督の自費製作作品ですが、ただ早撮りしただけではなく「スタッフやキャストは原則ノーギャラ・興行成績に応じた出来高払い」という方式で低予算製作を成立させているんですね。

▪️Overview
韓国の鬼才キム・ギドクが、第69回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したサスペンスドラマ。債務者に重傷を負わせ、その保険金で借金を返済させる非情な取立て屋のイ・ガンドは、親の顔も知らずに30年間、天涯孤独に生きてきた。そんなある日、ガンドを捨てた母だと名乗る謎の女、チャン・ミソンが突然現れる。当初は邪険に扱い、残酷な仕打ちもしたガンドだったが、ひたすら謝罪を繰り返し、無償の愛情を注ぐミソンを次第に母親として受け入れていく。やがてガンドが取立て屋から足を洗おうとした矢先、ミソンは姿を消してしまう。(引用:映画.com)
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