kazu1961

偽りなき者のkazu1961のレビュー・感想・評価

偽りなき者(2012年製作の映画)
4.0
▪️Title : 「偽りなき者」
Original Title :「Jagten」
▪️Release Date:2013/03/16
▪️Production Country: デンマーク
🏆Main Awards : 第65回カンヌ国際映画祭
最優秀男優賞ほか
▪️Appreciation Record :2020-165 再鑑賞
▪️My Review
怖いっていうか、悲しい、やるせない作品ですよね。ちょっとした子供の嘘から始まり、汚名を着せられて日常を奪われる。。。よく練られた脚本です。特に、ほっとしたのも束の間、ラストは。。。
この映画は、不確かな事実を鵜呑みにされ、村中から敵視される男性の姿を映し出しています。いくら無実を訴えても聞いてもらえず、辛い日々を送るルーカスの姿に、悲しみと集団の恐ろしさを感じずにはいられません。信頼関係、日常などはちょっとした事で、人の憶測・噂で崩れてしまう怖さが淡々と描かれています。そんな中でも、助けてくれる友人がいて、希望を持つことができますが。。。ラストのシーンでは、また不安にさせられます。
脚本のもう一つの良さは、前半部分で主人公の生活に厚みを持たせる描写を多くした後に、冤罪でその“日常”を奪われた時との落差がより感じられるるように見事に演出されていました。
本作、名匠トマス・ヴィンターベアが、無実の人間の尊厳と誇りを懸けた闘いを重厚に描いた人間ドラマです。子どもの作り話がもとで変質者扱いされてしまい、何もかも失い集団ヒステリーと化した世間から迫害される男の物語は、第65回カンヌ国際映画祭で主演男優賞はじめ3冠を達成しました。孤立無援の中で無実の主張を貫き、精一杯誇り高くあろうとするルーカスの霊の叫びを渾身の力を込めて熱演するのは、マッツ・ミケルセン。
物語は。。。
親友の娘クララの作り話が原因で、変質者のレッテルを貼られてしまったルーカス(マッツ・ミケルセン)。クララの証言以外に無実を証明できる手段がない彼は、身の潔白を説明しようとするが誰にも話を聞いてもらえず、仕事も信用も失うことになります。周囲から向けられる憎悪と敵意が日ごとに増していく中、ルーカスは自らの無実を訴え続けるが。。。

▪️Overview
「セレブレーション」「光のほうへ」で知られるデンマークの名匠トマス・ビンターベアが、「007 カジノ・ロワイヤル」「アフター・ウェディング」のマッツ・ミケルセンを主演に迎えたヒューマンドラマ。変質者の烙印を押された男が、自らの尊厳を守り抜くため苦闘する姿を描き、2012年・第65回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞ほか3冠に輝いた。出演は、マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、アニカ・ビタコプ、ラセ・フォーゲルストラム、スーセ・ウォルド、ラース・ランゼ、アレクサンドラ・ラパポートなど。
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