もう何度目か分からないぐらいに映画化されている、文豪トルストイの「アンナ・カレーニナ」。
今作はジョー・ライトとキーラ・ナイトレイのコンビで映画化する。
基本的な内容はほとんど変わらない。
アンナは結婚した夫のカレーニナには愛情を感じず、出会った若き将校ヴロンスキーに一目で恋に落ちる。
ジョー・ライトは変化をつけるため演出に舞台劇のそれを持ってきた。
部屋にいたのにドアを開けるとそこには荒野だったり、屋外だったのにいきなり室内に変わったりなど、舞台で見るかのような演出を施して飽きさせないようにしている。
この演出は中々面白いが、肝心のキャラに対してはあまり印象が良くない。
特に恋に走るキーラ・ナイトレイが、後半単なる我の強いヒステリックな女にしか見えなくなっている。
これを運命の恋と呼ぶには持ち上げすぎとしか言えない。
対比して描かれるキティとリョーヴィンの恋愛模様の方が余程見る価値がある。