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ローラのDのレビュー・感想・評価

ローラ(1981年製作の映画)
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本作はファスビンダーの西ドイツ3部作の2作目であり、1930年ジョゼフ・フォン・スタンバーグの「嘆きの天使」をモチーフにしているところは有名だ。

「マリア・ブラウンの結婚」では、戦中の結婚から成り上がり戦後の壊滅からの復興まで重ね、「ベロニカ・フォスのあこがれ」では、ドイツにおけるナチスの影響下における戦前の象徴と戦後の象徴、そして虚飾や搾取などが描かれてきた。

そして本作では、戦後再建後の西ドイツの経済格差、秩序と退廃が渾然一体となって表現されたカオスのさまは、まんま現代にもそのまま通じるところがみられるのが興味深い。

煌びやかな人工的な極彩色が画面を支配するファスビンダー流メロドラマが炸裂する。
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