コーネル・ウールリッチの『命あるかぎり』が原作。
マルタはヘルムートに急速に惹かれ結婚する。
しかしヘルムートはマルタが苦しむ姿を愛するサディストだった。
ヘルムートはマルタのものをひとつひとつ奪っていく。そして自分が望むマルタの姿にしようと支配していく。
二人が出会ったとき、カメラがぎゅいーんと360度回転するとこは二人の間に生まれた吸引力を感じられる。
マルタはロマンティックな気持ちだったのかもしれないけど、彼は支配されやすい女性の匂いを嗅ぎつけていたんじゃないかなって思う。
何度も繰り返して出てくるのが鏡。マルタ本人ではなく鏡に映ったマルタを描くのが印象的だった。
ヘルムートは、マルタが楽しそうにしてると仏頂面なのに、マルタが泣いたり苦しんでいると恍惚とした表情なのがほんと変態だなって。
隷属させて喜びを得るのが麻薬のようだったり、
そして愛情のもとでは顔色を伺い、逆らえなくなってしまう、って普通にあるんじゃないだろうか?
ホラーって表現では言いたくないけど、この作品は怖かったし、鑑賞後も不安な気持ちにさせられて落ち着かなかった。
それなのに不謹慎にも思わず笑っちゃうような場面もあり、そのバランスがいい。