Ryan

ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュのRyanのレビュー・感想・評価

3.8
ジェーン・バーキン永遠なれ



ストーリー
ポーランド人のクラスキーは、イタリア人のパドヴァンとゴミ回収を仕事としながら固い絆で結ばれていた。ある日2人はカフェバーに立ち寄るが、そこで出会ったボーイッシュな女性、ジョニーとクラスキーが意気投合、しかし、クラスキーはゲイであった。


主演 ジェーン・バーキン
監督 セルジュ・ゲンスブール


2023年7月16日ジェーン・バーキン永眠。
とても悲しいが彼女が変えた世界はこれからも大いに発展するだろう。
セルジュ・ゲンスブールが作詞・作曲した1969年リリースのフランスのヒット曲。
あまりの過激さに反感も起きたそうな。
そんな楽曲の映画化。
ちゃんとエロで愛とはなんぞやを語りかけてくる。
心で愛しても体は愛せない、現代社会においてやっと認知され始めた多様性だが、そんな複雑な愛の形を当時描いているこのシュールさは誰しもが驚いたに違いない。

汚い町、汚い人、汚い物、そんな中で光り輝く2人のキャラクター。
汚い場所だからこそ2人の愛はとても美しく、妖艶でありながらアーティスティックに感じた。
脚本がとにかく良くできている印象で前半の説明パートが説明がなくても理解できる演出能力と終盤の展開に思わず息を呑む。
斜に構えている人が作ったのは見てすぐわかる。

結局、愛の形に他人が文句つける必要もないし、愛をおおっぴらに語りたい人はこう言った映画を作るわけで、セルジュゲンズブールに言わせれば「それが何か?」くらい。
この映画は愛が残酷だとは思っていないし、むしろ人生にとって最も必要で豊かさと美しさを備えもつ究極のものとして描いてある。
かなり惹かれた映画だ。

ジェーン・バーキンの訃報は悲しいが、彼女が後世に与えた影響力とその力を持って世界を変えた歴史は変わらない。
ありがとうジェーン・バーキン!
Ryan

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