お話探し

マーサ、あるいはマーシー・メイのお話探しのレビュー・感想・評価

3.0
「アイアンクロー」が楽しみなんだけど、監督の過去作を一本も観たことなかったので、とりあえずレンタルにあったこれだけでも、と。


…見応えはあったけど…重い…元気失くす…。


「逃げ出してきて、保護されたとこ」から始まるけど、自覚のない奇行で姉夫婦をギョッとさせる描写からは、ある種のPTSD…或いは『辛かったんだろうけど、しばらくここで過ごせばきっと大丈夫だろ』等とは簡単に思わせてくれない緊張感が。


カットバックで描かれるコミュニティの実態(回想)は、後半に行くにつれて胸糞・ゲスっぷりが右肩上がりに増していく仕様。特に終盤、悪びれる様子のない不法侵入の場面は、ほとんど「ファニーゲーム」を彷彿させる悪辣さ。

(しかし主人公の「夢と現実に起こった事の区別がつかなくなる事ってない?」というセリフから、“悪夢的な誇張”という可能性・解釈も、なくはないか…?)


セリフから断片的に窺える両親の事情や、寄り添おうとはするけど二年間捜索はしてくれなかったであろう姉との距離感から、『問題の根っこは恐らくあのコミュニティに加わる前にあるのでは…?』と気になったが、そこの清算含め、(希望の可能性)くらいは提示してほしかった。無責任な“大丈夫”は期待しないが、現状では本当に“酷い・辛い”ものの提示のみになってしまっていて…
お話探し

お話探し