ペコリンゴ

12人の怒れる男 評決の行方のペコリンゴのレビュー・感想・評価

12人の怒れる男 評決の行方(1997年製作の映画)
4.0
記録。
生死を決める民主主義のロジック。

1957年のシドニー・ルメットによる傑作をジャック・レモン主演でリメイクしたテレビ映画。監督は『エクソシスト』のウィリアム・フリードキン。

脚本が同じなので1957年版と大きな違いは無い。18歳の少年が犯したとされる殺人事件の裁判で集まった12人の陪審員が織りなす極上の会話劇が魅力の法廷ドラマだ。

基本的には何から何までほぼ同じでリメイクならではの新たな解釈なんかは無し。でも面白いものは面白い。下手に変えて残念なことになるくらいならこれでいいと思うんですよね。

陪審員たちが詰め込まれるのは相変わらず狭くて古びたお世辞にもキレイとは言えない部屋。今回も空気は最悪そう(笑)

冷静でいて抜群の洞察力とディベート力を見せる陪審員8番役は僕が大好きなジャック・レモン。個人的には一番印象が異なる部分で、1957年版のヘンリー・フォンダは50代で細身だったのに対し、本作のレモンは70代で恰幅が良い。どちらが良いかといえばどちらも良いので好みの問題だろう。

白熱した議論を終えた後、部屋から退出する陪審員たちのさりげない仕草にグッとくるんですよね〜。