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雨にぬれた舗道のnyakoのレビュー・感想・評価

雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)
4.3
『ロバート・アルトマン傑作選より』

女性がホームレスのような青年を家に連れて帰る…くらいの前情報のみ。
女性の人間ドラマのつもりで観てたら、終わりにはぞぞーっとさせられてしまった。
ラストはかなり近接で撮っていて、体で覆われて徐々にブラックアウトしてくとこ怖い。
よく考えてみると今ではこの手の物語は映画ではわんさかあるのかもしれないけど、やっぱり演出、見せ方なんだろう。
孤独な女性と居場所のない青年との出会い。
孤独から狂気へと飲み込まれていくさまを見事に描いてる。

ここがターニングポイントって絶叫シーンがあるんだけど、考えてみるとこれはおかしいなって予兆はちゃんと前からあるんだよね。
絶叫するとこは狂気の発露なんだけど、あとは静かな演技がゆえに余計怖い。

今作は以前劇場公開された後、メディア化されていない作品。

アルトマン監督の著名な作品『ザ・プレイヤー』はあまりピンと来なかったんだけど、
『ロング・グッドバイ』や『三人の女』がとても好きだった。『クッキー・フォーチュン』、『バレエ・カンパニー』も良かったな。
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