マカ坊

雨にぬれた舗道のマカ坊のレビュー・感想・評価

雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)
4.5
何これおもしろ…!

つい先日「苦い涙」を観たこともあって何となく近い話かなーと思ったら…。

大したことが起こっているわけじゃないのに、カメラの位置とかモブの会話の差し込み方でじんわりと生まれる不穏さ。帰宅したら玄関先の地面の上にセミが仰向けで転がっているのを見つけた時のような地味だけど嫌な緊張感が少しずつ積まれていって…。

富める者にとってのセックスには本人の意思とは別のレイヤーで「継承」という命題が否応なく付きまとう。リビドーの発散すら経済に回収される理の中で彼女の行動を覗き見る時、果たしてこれをホラーと呼ぶことができるのか。

アルトマンの映画はまだ数えるほどしか観てないけど、今のところ間取りが面白い映画多いな。

最近観た映画の中でも屈指の終わり方。たまらん。
マカ坊

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