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将軍の娘/エリザベス・キャンベルのGreenTのレビュー・感想・評価

1.0
アメリカの軍隊での性差別問題に踏み込んでいるのでしょうが、トム・クランシーとかジョン・グリシャムっぽいいやに劇的なアプローチで、嘘くさくなっちゃってる印象を受けました。

舞台はジョージア州にあるアメリカ陸軍基地で、ジョー・キャンベル中将という、功績を残し引退後は副大統領候補として政界に躍り出ようとする、尊敬を集める軍人を演じるのがジェームズ・クロムウェルで、この人の顔とかほんっとにこういう役ハマり役です。この人ブッシュ(父)大統領を演じたこともありましたよね。

ジョン・トラボルタは、陸軍犯罪捜査部(CID)捜査官のポール・ブレナー准尉役なんですけど、なんだかこの人の良さが全く生かされていないな~と思う。

ポールは、レイプ事件専門の女性捜査官サラ・サンヒル准尉(マデリン・ストウ)とコンビを組まされるのですが、この2人が元恋人同士だったという設定も陳腐だし、また2人のやり取りも「小粋な大人の元カレ・元カノの会話」みたいにしたいんでしょうが、うーん。

陸軍基地内でエリザベス・キャンベル大尉というpsychological Operation(心理戦)の専門家が殺され、上記2人が捜査に当たるのだが、この女性はジョー・キャンベル中将の娘で、36時間以内に犯人を見つけないとFBI が介入してくる。なるべく軍内部でことを済ませたいという話になるので、2,3日しかない、ってことになる。

で、軍内部の犯罪捜査部っていうのは「味方を捕まえる裏切者」的な見方をされているらしく、なかなか協力が得られない、その上3日間で犯罪を解決しなくてはならない、のような苦境があるから面白くなるはずなんですがねえ・・・。

ジョージア州で南部なので、トラボルタが下手な南部訛りをしていたり(アンダーカバー捜査官なので、劇中で訛りが下手って自分で認めている)んだけど、こういうのとか、元カノとの絡みとかでトラボルタの良さが出ていないのがなんかなあ。

あと、南部なので、黒人の囚人(多分)が肉体労働を強いられているところがチラっとでてきたり、あと、ポールとサラが目撃者の事情聴取をするシーンで、黒人女性の二等兵が出てくるのですが、彼女はやたら「シット」とか「ファック」とかを使って “excuse my French” (言葉遣いが悪くてすみません)なんて謝るシーンがあるんですけど、これも黒人を必要以上に学がない、低俗な人種に描いているなあと思いました。軍隊に入って、ちゃんと教育受けているんだから、上官と喋っているときにあんな喋り方するわけないじゃないですか。

捜査が進んでいくとエリザベス・キャンベル大尉は、女性でありながら軍の内部でどんどん出世し、父親と同じく輝かしい功績を残していたのですが、だんだんと裏の顔が暴かれてくる・・・って感じなんですけど、これがまたなあ。

あ、そうそう、エリザベスのメンターとしてロバート・ムーア大佐ってのをジェームズ・ウッズが演じているのですが、この人もいい役者さんなのですが、うーん・・・

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