HiromiA

ブローニュの森の貴婦人たちのHiromiAのレビュー・感想・評価

3.4
 ブレッソン初期の作品なのでとても分かりやすくテーマも男女の愛だったのでかなり見やすい映画でした。人の心を試したり弄んだりとエレーヌはとんでも悪女なんだけど美しい。一方のエレーヌもまた美しい。こういった映画を見るとパリには美しい女性たちであふれているんだろうなあと勘違いしてしまいそう。それにしてもこの時代キャバレーの踊り子は売春婦だったのでしょうか。字幕はそれを思わせる表現でした。体は売らなくても相当下に見られていたのは確かですね。女性がお金を稼ぐ仕事自体が見下されていたのかな。こういった心理的駆け引きがヌーベルバーグの監督たちに気に入られたのかな。その後のブレッソンのプロの俳優を起用しないシネマトグラフとは違った極めて映画的な作品でコクトーの台詞監修もあり文学的な出来になっていたのが面白かった。私は映画は虚構だと思っているのでその後のブレッソンよりずっとこっちの方が好きです。
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