みーやん

悪い子バビー/アブノーマルのみーやんのレビュー・感想・評価

3.4
職場の研修旅行で九州に行きまして、博多でビジネスホテルに宿泊・夜は自由行動となりました。みなさんもつ鍋だ水炊きだと繰り出していくなか、せっかくだからご当地のミニシアターに行ってみようと思い立って検索したら時間帯がちょうど良かったのが本作。フィルマで皆さんのレビュー眺めてみるに好き嫌いかなり分かれそうながら駄作ではないようなので鑑賞してみることにしました。

いやーたしかに、面白かったし観てよかったけどいろいろ問題作ですね!監禁されて育った主人公が外に出ていろいろな目に会うっていう地獄めぐりものというか、なんとなくいちばんパッと連想したのは不思議の国のアリスなんですけど、そういう感じ。ただ主人公のバビー自身がありがちな「無垢な天使」的キャラじゃない(もちろんそういう部分はあるにはあって、しかも物語の大事な要素なのですが)し、バビーがすることもされることもなかなかモラル的にキツいところがあるし、人を選ぶところはかなりあります。
アリスでいうところのチェシャ猫やマッドハッターにあたる登場人物も悪意のある無しだけでなくいろんな意味であまりふだんない描かれ方だし。ストーリーもエピソードが絡み合って進行していくというよりはわりといろんなことが起こりっぱなしだし。

ですがなんかこう、単に悪趣味なだけで終わらない忘れ難さが残るんですよね。個人的にはラストのラスト、着地がちょっと不満ではありますが、この作品はオチが大事なわけではないんでしょう。落語のサゲと同様、話にひとつの区切りさえつけばそれでいいってことなんだと思います。

観終わってブラブラ歩いていて気付くと長浜と言われるエリアに足を踏み入れており、ほー!ここがあの長浜ラーメンの本場か!ということでとくに一軒ぶっちぎりで繁盛している店があったのでおでんと串焼きとバリカタ&替え玉キメてホテルに戻りました。ここまでワンセットの映画体験ってのもいいもんですね。
みーやん

みーやん