Omizu

サンシャイン・ボーイズのOmizuのレビュー・感想・評価

サンシャイン・ボーイズ(1975年製作の映画)
3.5
【第48回アカデミー賞 助演男優賞受賞】
『おかしな二人』などのニール・サイモンの戯曲を映画化した作品。後にウディ・アレン主演でリメイク、日本でも舞台が上演されるなど人気のある作品だがDVD化されていない。ゴールデングローブ賞ではコメディ部門の作品賞、主演男優賞(ウォルター・マッソー)、助演男優賞(ジョージ・バーンズ)を独占、アカデミー賞では助演男優賞を受賞した。

いい映画!コントの延長戦上にあるとはいえ、ラストはホロリとくる。ずっとそのままでいてくれ、と思える心に染み入る結末だった。

とはいえこれもDVD化されないのは理由があるね。ブラック・フェイス、日本人差別など不謹慎なネタが多い。こりゃ日本では観られないわ。

ボードヴィルで一世を風靡したコンビだったが今は犬猿の仲の「サンシャイン・ボーイズ」、しかしテレビ局で一度かぎりの復活をせがまれ…という話。

監督は『愛と喝采の日々』ハーバート・ロスだが、淡々とした調子が二人の掛け合いを引き立てていてなかなかいい。コント集になることなく、しっかりドラマとしての強みを引き立てていて好感が持てるつくりだ。

ウォルター・マッソーとジョージ・バーンズ、そしてウィリーの甥でマネージャー役のリチャード・ベンジャミンも好演している。『アマデウス』F・マーリー・エイブラハムも出ているらしいが何処だか分からん。

どんなに意地をはっていても結局孤独な最後には耐えられない。ずっと文句を言いながら二人でいてくれ、と思う素敵なラスト。リメイクや舞台がどうなっているのか気になる秀作喜劇だった。
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