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プロフェッショナルのHKのレビュー・感想・評価

プロフェッショナル(1981年製作の映画)
3.7
タイトルは印象に残ってないものの、たしか以前観たことあるハズと思って観たらやっぱり観てました。2度目の鑑賞です。
本作は原題も“Le professionnel”。
原題と全く違うヘンな邦題だと問題ですが、何の工夫もなくただ直訳というのもちょっと。
似たようなタイトルがいくつもあるからこそ邦題の工夫のしどころとも思うんですが。

フランスのベテラン諜報部員がアフリカの某国の独裁者を暗殺するため現地に入りますが、
裏切りにより捕らえられ過酷な収容所生活を送ることに・・・
今回のベルモンドはシリアス路線ですが、ニコリともしないほどハードでもなく、渋さ優先ながら粋なところもあって私としては好みのバランス。

ベルモンドがジョルジュ・ロートネル監督と組むのは本作で3回目です。
最初の『警部』はカッコ良さ+ユーモアでなかなか楽しめましたが、次の『道化師/ドロボー・ピエロ』はコメディなのに全く笑えなくてガッカリ。本作が一番好きだったかな。

冒頭10数分はアフリカが舞台で白人キャストはベルモンド一人だけ。
ひょっとしてずっとこのまま?と思ったらその後アフリカを脱出、復讐のため祖国フランスに舞い戻り関係者たちを恐怖に陥れます。

当時のフランス映画特有のキレのないカーチェイスといい、洗練されすぎず、多少やぼったいところがむしろ持ち味でしょうか。
ベルモンドは『ラ・スクムーン』で見せた西部劇への憧れともとれる早撃ちを、ここでも披露してくれます。
今のご時世だと主人公が奥さん以外に花を贈ったりキスしたりするのもOUTですかね?

音楽はベルモンドの作品もけっこう多いエンニオ・モリコーネ。
本作のメインテーマは心地よいムード音楽風で、あまり私の好みではないんですが、それでも見終わって2~3日はしゅっちゅう勝手に脳内再生されるところがさすがモリコーネ。
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