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外人部隊フォスター少佐の栄光のHKのレビュー・感想・評価

3.6
またしても、これだけ豪華かつ異色キャスティングの映画を今まで知らなかったとは・・・
と思ったら日本では劇場未公開のようです。U-NEXTでみつけてビックリ。

20世紀初頭のモロッコが舞台です。モロッコと言えばフランス外人部隊・・・
フランス政府による財宝と美術品目当ての遺跡発掘に反対する現地のアラブ民族とフランス外人部隊との争いを描いた歴史戦争モノです。

キャストが国際色豊かなので並べたくなりました(カッコ内は国籍です)。
精鋭の外人部隊を率いるフォスター大佐
ジーン・ハックマン(アメリカ)
遺跡発掘に同行する考古学者の娘
カトリーヌ・ドヌーブ(フランス)
過去不問故に外人部隊に志願する盗人
テレンス・ヒル(イタリア)
ルーブル美術館の責任者
マックス・フォン・シドー(スウェーデン)
フォスター大佐と旧知のアラブの首長
イアン・ホルム(イギリス)

全盛期のG・ハックマンはお得意の善悪を兼ね備えた重厚なキャラで存在感バツグン。
マカロニ・ウェスタンやコメディ以外で見るのは貴重なT・ヒル(『風来坊』『ミスター・ノーボディ』)は今回ドヌーブとキスシーンまである儲け役。
M・V・シドーが遺跡を発掘してると『エクソシスト』を思い出してしまいます。

他にも、『さらば愛しき女よ』の大鹿マロイや『スーパーマン2』で3悪人の1人を演じたジャック・オハローラン、『フレンチ・コネクション』の殺し屋役マルセル・ボズフィ(どちらもハックマンと共演済み)など見た顔がチラホラ。

インディアンに取り囲まれた第七騎兵隊を思わせるクライマックスの外人部隊とアラブの大群の戦闘はなかなかの迫力。ちょっと『風とライオン』を思わせるテイストも。
また、偶然にも先日観たアメリカ南北戦争を描いた映画『グローリー』と鬼教官の厳しい訓練、不本意な任務、壮絶なクライマックス、ラストの・・・などなど妙に共通点が。

原題は“March or Die”(進軍か死か) 邦題もうちょっと・・・未公開だから仕方ないのか。
製作は意外やジェリー・ブラッカイマー。
監督は『さらば愛しき女よ』『男の出発(たびだち)』など時代色豊かな演出が得意なイギリスのディック・リチャーズ。
大御所モーリス・ジャールの音楽も大作感を醸し出しています。

確かに名作には一歩及ばずの感はありますが見所は結構あり、これだけのスタッフ・キャストで日本劇場未公開はあんまりかと。パケ写もないし。
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