ちいさな泥棒

ソフィー・マルソーの愛人(ラマン)のちいさな泥棒のレビュー・感想・評価

5.0
ええーー好き好き!!すごい好き!!!

ラストがフランスっぽいというか戯曲っぽくなるのが気になるけどそれをあわせても好き好き!めっちゃ好き!

『恋は足手まとい』で憎めない駄目男を演じた作品を観て以来シャルル・ベルリングはたまに見かけると嬉しくなってつい恋しちゃう俳優さんで、心の中でいつも「あ、わたしの妖精さん♡」なんてふわふわしてるんですけど、彼の雰囲気が今回は一段と妖精さんでかわいかったん…甘えられたらうれしくなっちゃう。

嫁を家政婦としか思っていないような旦那から解き放たれて自由になる瑞々しい主人公から気づけば主人公は誰だったんだっけ?状態なほど男達が情けないのにクスクスしちゃう。バチェロレッテや未来日記を観ても思ったけど男同士って恋敵になるとますますおバカでだけど愛しくて、ヒロイン置いてけぼりになるほど熱い妙な絆ができますね。もう女がいなくてもお前達だけでやっていけるよ的な笑。むしろお前達だけを見ていたいよみたいな笑。

そんなどうしようもない大人たちの姿を普通だったらうんざりしたり悲しそうにしたりグレたりするところを、我々観客と同じようにむしろ楽しんで見て(観察)いるような息子ちゃんがすごいよかったです。ママはもちろんあんなパパでも大好きーー!って走って抱きついて行くとこ天使かよ。なところや恋人の受け入れも早い早い。いっつもクリンクリンのお目々をキラッキラさせて見ていてニコニコしたり思いありげに笑ってみたりするのをさりげなーくサブリミナル的な感じでフッと入れるんですよね、あの効果は絶大。癒しだった。あそこで何かあったらまたブレてただろうし。

観てるこちら側まで「このままいったら真っ直ぐ育たないんじゃないか…」と勝手に将来心配になっちゃう系でもなくよかった!

てっきり亭主関白な旦那ザマァ系かと思ったけど観てくうちに「ん?こいつも…ん?」的なまたもう一波乱もう二波乱あるような思わずホッコリしちゃう作品でした。『愛人』て、タイトルなぞすぎる笑。