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オードリー・ヘプバーンの素晴らしき遺産のHKのレビュー・感想・評価

3.5
オードリー・ヘプバーンがスターになる前の作品鑑賞パート3です。
これはもう本当に端役の煙草の売り子(Cigarette girl)役で、登場するのは2回のみ。
1回あたり数十秒。
それでもセリフはあるし、コスチュームも印象的(ジャケ写参照)で、現れると画面がパッと明るくなります。

Wikiによると、もともとオードリーを気に入った監督が本作の主役にオファーしたところ、運悪くショーの公演と重なり断わられたとか。
しかし公演が中止となり、オードリーがまだ役があるか尋ねると、煙草売りの役しか残ってなくて、それでも本人がやりたいと言って出演したとのこと。

クレジットもその他大勢と並ぶのではなく、‎キャストの最後に“And introducing” として表示される扱いに監督の配慮もうかがえます。
しかも本作のオードリーを見たパラマウントの製作部長が『ローマの休日』の主役にオードリーを推薦したらしく、実はとても重要な役割を担った作品でもあります。

本作は、あるイタズラ好きの大富豪の遺言で、遺産相続の権利を得るための奇想天外な試練を課せられた4人の縁者が四苦八苦するお話。
オードリーを見るためだけの映画と割り切って観たつもりが、これがなかなか面白く、公開時は評価も高く後にリメイクされており、そうなるとやっぱり主役じゃないのが惜しい。
それでも『ローマの休日』の主役となるキッカケとなったオードリーのシガレット・ガール姿は一見の価値ありです。
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