Hope3000

幸せなひとりぼっちのHope3000のネタバレレビュー・内容・結末

幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「人生、捨てたもんじゃない」


若くして両親を亡くし、愛する妻・ソーニャにも先立たれ、孤独なオーヴェ。勤務先からの突然のリストラに、自殺を決めるがーー。

あらゆる手段で自殺を試みる序盤はシリアスな反面、夢を見るように昔の様々な思い出が鮮やかに蘇りピースフルなところ。だがいつも良いタイミングで色々な "邪魔" が入り、妻の元へ行けない。

きっかけは、ある家族が向かいに引っ越して来たこと。
人付き合いが苦手なオーヴェは、最初の内は「お向かいさん」を"迷惑者"として冷たく接していたが、その家族は何かと彼を気にかけて優しく接してくれる。彼らと触れ合っていくうちに、オーヴェの中に少しずつ変化が生まれていく。

失ったものも多いけれど、同時に得たものも多い。
人を救い、動物を救い、自然と自分も救われる。
「厄介なお荷物たち」が、「大切な宝物」になる。
「私と一緒になるのはまだ早い」そう言って、ソーニャがオーヴェに周囲の人の愛に気付かせてくれたかのよう。
人付き合いが不器用だった彼が人に好かれ認められて、幸福な人となった。

多くの喪失感により正気を失ったことで、オーヴェの中で人に対する一方的な誤解が生まれていたが、それも無くなり、彼は「独りぼっち」ではなかった。「お向かいさん」の子どもたちと過ごしていた時の彼は、穏やかな笑顔を見せ、時に歯を見せて笑い、とても嬉しそうだった。オーヴェの姿を見ると、なぜだか子どもたちも嬉しそうに近寄って来て、プレゼントを贈られた時も「ありがとう、おじいちゃん」。子どもを持った喜びを、初めてこの上なく味わった瞬間だった。この気持ちは、オーヴェの中の悲しみや苦しみを溶かしてくれたことだろう。

「人生、捨てたもんじゃない」。安らかに眠るオーヴェの口から、こんな言葉が聞こえて来そう。

オーヴェは、お向かいさんの奥様に運転の仕方を教えたり、ケーキを奢ったり、ご近所の家の機械の不具合を直してあげたりと、面倒と思いながらも細かな気遣い力が備わっている人だなと思った。その気持ちに、素直になれなかっただけなんだ、と。



トム・ハンクス版も合わせて楽しみたい作品です。早く観たい😋











P.S.
1/14、『オットーという男』が気になり、予告を見たHopeは密かに息を呑みました。
「人生 捨てたもんじゃない」このセリフが、なんと予告動画の中に…🫢
ここから拝借した訳ではありません!嘘じゃないですよ!w 偶然も偶然すぎて、驚いてしまいました😂
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