あんへる

劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲のあんへるのレビュー・感想・評価

3.8
TV版を再構築した物語。
一部の展開やキャラ設定等がTV版とは異なる。(ラストは完全なる別物)

尺の都合上、殆どのキャラは背景が不透明。
従ってモブ化してるキャラが多い。(登場しないキャラや亡き者にされてるキャラも)
キャラに関しては特にTV版の情報に依存してる部分が大きい気はする。
この映画が初見だと結構キツいものがあるとは思う。

ただ、ストーリーが「綾人と遙のラブロマンス」に一本化されたことで、物語の重厚感はやや失われているものの、話としてはTV版よりもシンプルに纏まっててわかりやすく観やすい。
結末というかラストシーンは映画版の方が美しいんじゃないか?とも思う。


冒頭のシーンで朝比奈が手紙をグチャってする所、もう切なくて心臓がきゅってなるんよ。
ブルーフレンドの演出はやっぱり素晴らしいんだけど、やっぱりしんどいんよ。
壁に描かれてるトリコロールの赤と青の部分に立ってる2人が重なるシーンを見るとやっぱり心臓きゅってなるんよ。
「私、ボンゴレが食べたいな…」で泣きそうになるんよ。
もう映画版くらい朝比奈がメインヒロインでいいじゃん。←


あと忘れちゃならんのが、映画版では登場しなかった弐神さんの代わりにバーベム卿に言い放った功刀司令の台詞

『人が知覚できる神など神ではありません』

かっこいいね。そして真理であり金言だね。
巷に蔓延る胡散臭い宗教を殲滅できるレベルの有り難い御言葉だよ。←
神だ神だなんて持て囃されてる存在なんて、実態は所詮「神様気取りの罰当たり」くらいのもんよ。
目に見えてわかりやすい部分に安易に答えを求めちゃいかんね。真に神を欲するなら自分の胸に手を当てて考えなきゃ。


最後に、坂本真綾さんが歌う主題歌「tune the rainbow」がとにかく良い曲なのよ。
勿論TV版の「ヘミソフィア」も良いんだけど。
どっちも菅野よう子の音楽性が最高に心地良い楽曲。
あんへる

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