爆裂BOX

巨大クモ軍団の襲撃の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

巨大クモ軍団の襲撃(1977年製作の映画)
3.8
農薬の影響で小昆虫が激減し、食物連鎖を断たれた大量の毒グモが餌を求めて町に現れる。クモの糸で覆われた町では、毒に倒れた人々が次々とクモの餌食となり…というストーリー。
「スター・トレック」のカーク船長ことウィリアム・シャトナー主演の大量クモパニック映画です。
雄大な自然を有した田舎町ヴェルデ・バレー。品評会を間近に控えたこの町で、家畜が原因不明の死を遂げる。獣医のラックにも死因を特定できず、動物病理学研究所に協力を要請。後日、研究員の大安が持ってきた報告は死亡した牛から通常よりも遥かに強力なタランチュラの毒が検出される。牧場主から牧場近くに巨大なクモ山が出来たことを知ったラックはそれを焼き払うが、運良く難を逃れたタランチュラたちが町で増殖し、住民に牙をむく、という内容です。
タイトルに偽りありで巨大クモは登場せず、登場するのは通常サイズのタランチュラです。
「毒蜘蛛タランチュラ 死霊の群れ」と同じく本作でも本物のタランチュラを使っており、本当に画面を覆いつくすくらいの数が登場して、役者たちの身体に張り付いて体の上をぞろぞろ這い回る姿はとてつもないキモさでインパクト与えてくれます。本作のタランチュラは突然変異で猛毒を持ち、凶暴性も増していて、更に車のドアを開けて少し離れていたらあっという間に座席にタランチュラの群れがいたり、換気扇や空調からぞろぞろ入ってくるなど神出鬼没ぶりも強調されて描かれています。猛毒で殺すので、犠牲者は少し腫れが出来るくらいでグロ描写はないですが、繭の様に蜘蛛の糸で覆われた死体はインパクトありました。このクモに襲われる牛や馬などもちゃんと演技してる所も良いですね。地面に倒れて身体中にクモ這わせてた牛さんは人間の役者陣に負けず劣らず身体張ってましたね。
ウィリアム・シャトナーはプレイボーイな獣医の主人公役でしたが、終盤で全身にクモ這わせて体当たりの熱演していました。彼の姪っ子の幼女がワカメちゃんみたいな格好してましたな。
クモを退治しようと殺虫剤を散布していたセスナ機のパイロットが操縦席に入り込んでいたクモに襲われ、ガソリンスタンドに突っ込んで爆発炎上したり、クモの大群に襲われてパニック状態の町中で、民衆が保安官が乗ったパトカーに押し寄せて身動き取れない所へ車が突っ込んで倒壊した給水タンクが落ちてきて潰されるなどの二次災害の描写も良かったですね。町中のパニックぶりも良かったです。
大量発生した凶暴なクモの群れに襲われる、という以外ストーリーあって無きが如しですが、終盤、主人公達がペンションに籠城するも全く解決の兆しが見えずに進みますが、何とか朝まで生き延びた主人公達が迎えるラストは衝撃的でした。でも実際、クモが大量発生してギリシャの町があんな状態になったしな。
古い作品でタイトルの様に巨大クモは登場しませんが、大量に実際のタランチュラを使った映像やラストのオチなどパニック映画好きなら必見の作品ではないでしょうか。