このシリーズは5作目は観ていないし2と3もショット単位でわずかに覚えている程度なのだが、その甚だ信頼できない記憶に頼ると、このシリーズ4作目、クローネンバーグの1作目に次ぐ面白さだった。もちろんここにはクローネンバーグのような知性やセンスはないが、そのぶん出し惜しみしない人体破壊特殊効果、突発的に起こるショッキングな洗脳殺人、派手な音響演出やスピーディな展開で見せる痛快な娯楽作となっている。だいたい開始5分で頭部に浮き出るスキャナー人面瘡とかいう大サービスを出してくる超能力映画など悪く言えるわけがない。『ジェイコブス・ラダー』風の脳内地獄世界もわりあいカッコよく、終盤の展開がやや急ぎ足で尻すぼみに感じられ点は惜しいが、SFホラー史上の傑作のリブート作でこの品質なら大健闘と言えるんじゃないだろうか。
