マイナー映画好きのジェーン

バッド・ガールズのマイナー映画好きのジェーンのレビュー・感想・評価

バッド・ガールズ(1994年製作の映画)
4.2
女性の西部劇は珍しく、キャストも好きな人が多かったので観ました📀

いやはや、この時代の女性への扱いは酷すぎますね❗️イーストウッドの映画などで、この時代は男性でも生き辛いのが伝わってきますが、本作では当時の女性の悲痛な様子がこれでもかと描かれています。

コーディ(マデリーン・ストウ)は娼館の女主人て、アニータ(メアリー・スチュアート・マスターソン)、アイリーン(アンディ・マクダウェル)、リリー(ドリュー・バリモア)は彼女の下で働く娼婦たち。
彼女たちは皆、生きるために仕方なくこの商売をする羽目になったかわいそうな女性たちです。
コーディは幼い時にギャングの商売女にさせられ、そこからやっと逃げ出した身の上。アニータとアイリーンは、当時の法律では女が財産を相続できなかったために一文なしになり、リリーは父の借金のカタで娼婦に身を落としています。

ハッキリ言って、当時の西部はほとんど無法状態。男でも「明日の命は分からぬ」状態でした。そして、女たちにはほとんど人権もなく、身内の男が死ねば財産は全て取り上げられる有り様💧生き抜くためには娼婦をするしかないのに、今度は慈善ぶったお偉方や牧師から罵倒される…
本作でもコーディは正当防衛で客を撃ち殺したのに認められず、追われる身になってしまいます。

本作では、不当に貶められた4人の女たちが協力し合い、何とかマトモな生活をしようと頑張る姿が描かれます✨

身を守るために戦うわけだから、必ずしも手際は良くありません。例えばアイリーンは戦闘が苦手で、馬に乗るのもモタモタしていました🐎コーディとアニータが意見割れして効率が落ちる一場面もあるし、リーダー格のコーディでさえ強盗団のワナに落ちたりもします。
それでも、「娼婦をやめて、女でもマトモな生活をしたい!」という思いが4人を結びつけて、先に進んで行くのです💞

もちろん、男性の中にもいい人はいました。コーディを助けて好意を持つジョシュ(ダーモット・マローニー)やアイリーンに求婚するフランク(ロバート・ロッジア)はその典型で、彼らは多くの場面で女たちを助けています。
でも、ジョシュの最後はあまりに可哀想で、辛いですね…。彼は死なせないでほしかった…。

フェミニズムはまさにこういう時代のために生まれたものでしょう。逆に女性の権利が確立された現代の文明国では不要な思想であり、今の日本のワガママな女たちを見たら、西部時代の女たちはカンカンになると思います。