ヒデ

八甲田山のヒデのレビュー・感想・評価

八甲田山(1977年製作の映画)
3.7
「一月と二月の八甲田は、一度踏み込んだら生きて出られねぇ。白い地獄だ」

真冬の八甲田山(青森)での雪中行軍を命じられた兵士237人の過酷な運命を辿る物語。

雪山でのシーンがエグすぎて、今だったらコンプラ云々でとても撮影できないだろうな…。自分の漏らした小便が腿を凍らせてしまったり、急斜面で滑落して凍った足が折れたり、気が触れて裸で暴れ回ったり。マジの雪山で3年かけて撮影してると聞いて納得した。製作陣の気迫と狂気を感じる画面。

とにかく地獄を見る話なのかと思ったら、高倉健をはじめとする大尉がさまざまな決断を試される話でもあって、いかに方針を決めるリーダーが大事なのかを痛感させられる作品だった。


以下、セリフメモ。


「我が軍にとって不足しているものが一つある。それは寒地装備、寒地訓練である!」

「この次、神田大尉にお目にかかるのは…」
「雪の八甲田の、どこかで」

「渡辺伍長殿、田代はどちらでありますか。向こうは白いだけで何も見えません」

「田代への道はたった2km…その2kmの道が…。雪とは一体なんなんだろう」

「天は我々を見放した…。こうなったら引き返し、先に死んでいった者と一緒に我々も死のうではないか!」

「弟…!弟だ!すまん!本当はもっと早くこなきゃいけなかったんだ。許してくれぇー!!」

「中隊長殿、自分は弟を背負っていかねばならぬのですが、その許可を!」
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