延々と歩く

ベンジャミン・バトン 数奇な人生の延々と歩くのレビュー・感想・評価

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 老人としてうまれた主人公が、成長しながら若返っていくというファンタジー映画。監督は「セブン」「ファイトクラブ」のデヴィッド・フィンチャー。

 フィンチャーはすごい才能だし本人が大っ嫌いという「エイリアン3」ですら好きだけど…これは、一体…。二回チャレンジして失敗、編集されまくり・CM入りまくりのテレビ放送でようやっと完走した。

 「人生なんて最初は良くてもやがてメチャクチャになっていくパーティーみたいなもの。今なら家に帰るとなってもまったく残念ではない。私が神であるなら人生の最初につまらない老年期をおいて、若き日々を最後にしただろう」という文章を読んだことがある。

 「ベンジャミン・バトン」なる作品は、根本にそういう考えがあるのか。というかそれ以外成立しなくてね~とは思う。悲しくも優しい気持ちのこもった大人の寓話…。

 まあ寓話いうかフィンチャー版「フォレストガンプ」でしょという話もたくさんあって、脚本も「ガンプ」と同じ人(エリック・ロス)が書いている。

 しかし「ガンプ」の寓意って「ベトナム戦争もカウンターカルチャーも真面目に熱くなってるやつは全部アホ」みたいな、保守的すぎると批判され倒したけど人生や激動のアメリカ戦後史へのひとつの回答だったのは間違いなくて、ひるがえって本作になんかそういう風刺性があったかというと…。
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