酸基

グリズリーマンの酸基のレビュー・感想・評価

グリズリーマン(2005年製作の映画)
4.0
これは凄い。こんなヘルツォーク好みの人間がいたのか。合成を疑うような冒頭に始まり、その後も異常にクマに接近したショットが続く。顛末を知っているが故に緊張感と皮肉が混合する。時に冷徹なナレーションと画面に映るティモシーの滑稽な姿がボケとツッコミみたいで笑ってしまうし、ヘルツォークの人間や社会に対する距離感が表れている。まごう事なき「クマ映画」だが、1人の人間社会に馴染めない男が自分の映画を作り、人生を編集する物語でもある。特にあのラストカット、映画の神様は居るのかもなと感じてしまうよ。
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