こぅ

いのち短かしのこぅのレビュー・感想・評価

いのち短かし(1947年製作の映画)
3.8
偶々、ピアニスト繋がり〜

現在入院中患者には、とてもオススメ出来ない
アンドレ・ド・トス監督による、
異色の【フィルム・ノワール】。


かかりつけのリナカー教授の薦めで、スイスの山の療養所へ入院した有名ピアニスト、カレン・ダンカン(バーバラ・スタンウィック*)。
宣告されないものの、次第に自分の重病さを感じとっていく…。


担当医は、トニー・スタントン(デヴィッド・ニーヴン)。

序盤、
夜のバルコニーから異音がして恐怖するは、ちょいと破綻気味だが、カレンを不安にさせる、或いは不安な気持ちを提示、という心理描写効果はある。
病名や病状は申告されず、ピアノ演奏禁止、1カ月外出禁止では息詰まる毎日、、

自分は、全く元気なのだから反発するのも分かる。

外出時に知り合ったレーサーのポール(リチャード・コンテ)と恋仲になるも、トニー医師は良い顔はしない。兎に角、療養を強要する。

周りの患者が次々に、、
知り合った患者も、、これはショックだ。

後にポールの強い誘い
から無許可で長旅に出てしまうカレン。
着飾ってカジノに行ったり、楽しい時間を満喫して、現実逃避出来た。
が、無理している事は自身で分かっていた、、トニー医師が迎えに来るも 療養所に戻るくらいなら死んだ方がマシ、絶対戻らない!という頑固な意思。
ポールには、病気の事は一切話していなかった。

雨の夜のカレンの決断〜
突然現れる ナンパエロ男(ギルバート・ローランド)が不自然、蛇足感。

終盤間際の展開には面食らうが、


納得出来るトニー医師の行動や、描かない結末を暗示させたラストの 穏やかな余韻 は良かった。

邦題も的を得ている。


*注記
バーバラは、本作より6年前、逆の女医役を演じていた。
こぅ

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