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日本の悲劇のkazu1961のレビュー・感想・評価

日本の悲劇(1953年製作の映画)
4.0
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-450 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋『日本の悲劇』。。。まさしく題名のままの救いようのない作品。。。クライマックスは衝撃的で、戦後を背景に戦争未亡人の悲惨な末路を描いた衝撃作です。

🖋️戦後動乱期、貧困のための理不尽、「母」と「子」の断絶をシニカルにそしてリアリティを持ってドキュメンタリー的に描いたとてもチャレンジングな作品。歪んだ社会を激しく告発する木下惠介監督の怒りと祈りを込めたメッセージが冷たく心に刺さる作品です。

🖋️ほんとやり切れない世相とそのストーリー。子を思えばこそ、恥を忍んで遮二無二生きる母の姿を尻目に、子は母を恥じ、軽蔑し、恩知らずなまでの自我の塊のような人間へと成長していく。。。そして母のもとを去る子。。。あまりにも虚しいですね。

🖋️そんなうらぶれた母親を名女優、望月優子が見事に演じています。悲哀に満ちた演技の壮絶とそのラストには息を呑んでしまいます。

🖋️そしてこの作品を通して見事なカメラワークがひかります。木下惠介監督にとっても、リアリズムやドキュメンタリー性を追求した挑戦的な作品となり、後の『女の園』や『楢山節考』に向うステップとなった作品です。それにしてもキツい。。。

😱Story:(参考: Google)
春子は熱海の旅館で女中として働いている。戦争で夫を失った春子は、二人の子供を育てるため、男に身をゆだねる商売にまで身を落としたこともあった。二人の子供の成長だけが彼女の生き甲斐だったが、二人は彼女の過去の商売に反発し、母に反抗的な態度を取る。医大を卒業した息子は東京にいる医者の婿養子になると家を出た。

🔸Database🔸
・邦題 :『日本の悲劇(1953)』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1953
・日本公開 : 1953/06/17
・上映時間 : 116分
・受賞 : ※※※
・監督 : 木下恵介
・脚本 : 木下恵介
・原作 : ※※※
・撮影 : 楠田浩之
・音楽 : 木下忠司
・出演 : 望月優子、桂木洋子、佐田啓二、高橋貞二、上原謙

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「カルメン純情す」の木下恵介が脚本・監督とも担当し、撮影の楠田浩之、音楽の木下忠司も「カルメン純情す」のメムバアである。バイプレイヤアの望月優子が主役に抜擢され、「次男坊」の桂木洋子、高橋貞二、三橋達也「妻」の上原謙、高杉早苗、「女性の声」の佐田啓二、「姉妹(1953)」の淡路恵子、その他俳優座の新人田浦正巳、民芸の北林谷栄、劇団若草の榎並啓子(子役)他が出演。
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