完全自己満足でお送りする不定期企画『レビュー0件映画を鑑賞してみた』
これはFilmarks内で未だレビュー投稿のない作品をあえて鑑賞し、レビューを書いてみようじゃないかという、無謀かつ誰得な企画です。
とりあえずのルールとして、Markされていても、レビュー欄が空欄だったり、あったとしても「記録」や「過去鑑賞」のような、レビューとは言い難い内容の書き込みもレビュー無しとみなします。
さて、今回鑑賞した作品は……
『ビル・コスビーのそれ行けレオナルド』 LDで鑑賞。
1987年 アメリカ アクション、コメディ 先客1名様
これまで運の良さだけで5つの大事件を解決してきた諜報員レオナルド。今では引退してレストランのオーナーとして平和な毎日を過ごしている……かと思いきや、妻とは何年も仲が悪いわ、20歳になる娘に至っては66歳の爺さんと結婚すると言い出すわで、家庭はメチャクチャ。
そんなある日、レオナルドのもとに6つ目の事件が持ち込まれる。ベジタリアンの悪女メドゥーサが、長年人間の食用にされてきた動物たちの恨みを利用し、動物たちを操って地球の征服者になろうとしているらしいのだ。レオナルドは地球を救うため、執事のフレインと共に、メドゥーサの野望を阻止すべく、敵の本拠地に向かうのだった。しかし行く手には伊勢エビ、蛙、ダチョウなどの強敵(?)が立ちはだかる……。
日本ではそんなに知られていないが、TVシリーズの『アイ・スパイ』(のちにエディ・マーフィー主演で映画化)で主演を務めていた、アメリカでは超有名コメディアンのビル・コスビー主演で贈るスパイコメディ。監督デビューする前の若きヤン・デ・ボンが撮影監督。
あらすじからして既に嫌な予感しかしないが、その予感はプロローグで現実のものとなる。
とにかく冒頭からついていけない。
ニジマスに殺されるCIA諜報員、厨房で激しい銃撃戦が繰り広げられているにもかかわらず、平然と調理を続けるシェフたち、車を持ち上げるアマガエルの群れ、メドゥーサの部下がなぜか全員タンクトップのマッチョ等々。ギャグも思いっきりスベっていて冷笑必至。日本ではおそらく倫理的にアウトな、食べ物を粗末にするシーン、そしてひどいラスト。とにかく最初から最後まで意味不明。
そんな映画なので興行的にも大失敗し、1987年のゴールデンラズベリー賞では最低作品賞、最低主演男優賞、最低脚本賞の3つを受賞という不名誉な三冠を手にしている。
ビル・コスビー自身も本作の出来には不満を抱いていたらしく、「お金を払って観るべき映画ではない」みたいな発言をしていたらしい。
主演俳優にそこまで言わしめるこの珍作、一度観てみたいと思いませんか? 思いませんね。