なんにも起きないんですけど
あたしにとってはすごく厚い映画でした。
本当になんにも起きないのに
流し見したらすごくもったいなくって
きっとつまらないです。
凝視レベルでじっと観て
セリフのひとつひとつをじっくり噛んで
「ああ、いいなあ」って呟いて
そのままお散歩に行きたい感じ。
春のお昼に観るのがベストですね、きっと。
ウィスキーしか出さないバー。
お店の前にベンチがあるお豆腐屋さん。
”ちょうどいい” カフェ。
みんなのポプラがいる銭湯。
登場人物だれもが
独特の空気を出しているんですけど
やっぱり肝は
小林聡美ともたいまさこですよねえ。
彼女たちと同じセリフをあたしが口にしたって
絶対ああいう風には響かないし届かないんですよ。
さらっと放っているっぽいのに
なんであんなに体幹が整った言葉が出るんだろう?
舞台と映画のちょうど真ん中あたりを突く良作。
京都の町並みもすごく良いです。