「同じ目に遭ったら、もう二度と誰にも会いたくなくなるはずよ」
バンコクから田舎のステージに出る為にやってきたバンドマン達。気味の悪い安ボロホテルに足を踏み入れ、排気ダクトから垂れ下がる白い布に興味本位で触れてしまう。
呪いから逃れようと真相を追って奔走する若者達の直球ホラー。
人肉ラーメンのティワ監督ということで鑑賞。
序盤からスプラッターおじさんやら嫌な通気口のキモ布やらそもそも本当に泊まりたくない感じのキモホテルやら、ビジュアルが抜群。
前半はJホラー的定番ホラー現象！！が次々に起きて、まるで海鮮丼とか福袋みたいな。もうホラーのやつ全部やったるで、みたいな勢いがある。お前らこういうの好きだろ、と豪速球でずっとストライクゾーンど真ん中みたいな。
変化球で舌が肥えまくっている現代人こそ、一旦ここへ帰ってくるべきかも。実家的ホラー体験。（しかしあまりにも実家なのでメチャクチャだらけながら見てしまう、でもある）
そして後半に行くにつれて話も重くなってくる。虐待、レイプ、妊娠。無差別呪殺なんかではない。悲しみと恨みの果てだ。
正直幽霊描写はそんなに怖いものではないけれど、そこに辿り着くまで散りばめられた真相と事件部分に、やはりティワ監督は血と情念を操らせると本当に良い画を撮る監督だなあとしみじみ。
随所にタイを感じるのも凄く良かったけど、仕事できないタイプの坊さんだったな…
