亜海

ニューオリンズの亜海のレビュー・感想・評価

ニューオリンズ(1947年製作の映画)
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歴史の勉強になるのと産業構造のことについて考える時間だった

1917年アメリカは第一次世界大戦への参加に踏み切る
戦時体制のためニューオリンズの港湾地区が海軍基地になる
その結果ストーリーヴィルが閉鎖になる
売買春にまつわる深刻な問題は性病の蔓延
海軍はそれを恐れ、(まさに売春婦と海軍との描写があった)海軍長官の命令で、軍の施設から5マイル以内の売春宿は即刻営業停止となる
ジャズメンの多くはミシシッピ川の流れを逆に辿って北上を続け、シカゴに落ち着く
シカゴでラグタイムが大流行りする

ストーリーヴィル閉鎖?なんか見たことあるなと思ったら、ニューオリンズに行くのでと買ったジャズの歴史という本に書いてあったことがそのまま映画になっていた感じだった。

ビリーホリデイがメイド役で出演していて、当時の時代背景を反映しているから仕方ないかもだけどそれしかあてがう役が無い感を感じる
産業構造の頂点、担い手にいるのはいつも男や白人ばかりだった世の中で、そこで生み出されるモノに出演者として黒人やアジア人が含まれていたとしても、その作品は「男」や「白人」の視点を通して作られるので主体はマジョリティであるということは問題としても考えられるのじゃないか

世の中の映画ってそういうのが多い気がする
嫌な言い方するとディズニーだって結局、別地域(アラジン、ムーランなど)のことを「切り取り」、「解釈」し「拡散」するのは産業構造のマジョリティにいる人々

この映画も結局、白人の恋愛物語で最後終わったよ。ビリーホリデイとルイアームストロングの恋愛の行方はどうなったんだよ。理由は作ってるのが白人で、白人向けの映画だからじゃないのかな。描けよ!

だから、物理的にその担い手を増やす必要がある。
文化に関してはそれはあんまりかも(女性監督を増やします!とかそういうのはないかも)だけど、それこそ、無理矢理にでも男の政治家と同じぐらい女の政治家を増やさないと、いつまでたっても「女性が政治家になりました」というニュースが凄いねと流れる世の中だし、構造が変わらない
なりたい女性がなれば良いって言ったりしてるクソジジイはまじ違くて、そうしないと構造自体が変わらないんだってば
亜海

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